ずっと本棚に保管していたはずの漫画が、いつの間にか日焼けしていたことはありませんか？
お気に入りの漫画が劣化していたら、さぞショックを受けることでしょう。
この記事では、日焼けから守る方法と日焼けした漫画を復活させる方法を解説しています。大切な漫画の日焼け対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも漫画が日焼けする原因とは？
漫画が日焼けする主な原因は「紫外線」と「空気」にあります。
肌が日焼けする原因として有名な紫外線は、漫画にとっても有害であり、紙に含まれる成分と化学反応を起こすことによって、紙が変色していきます。蛍光灯の光にも紫外線は含まれているので、「室内だから大丈夫！」とはなりません。
空気も同様、紙に含まれる有機物質と酸素が結びつく酸化反応によって、紙を変色させます。
しかも通常の漫画本に使われる「酸性紙」は、「紫外線」と「空気」に対して非常に脆く、日焼け対策を怠っていると大切な漫画に深刻なダメージを与えます。
思い当たる節がある方は、すぐに環境を整えましょう。
日焼けから漫画を守る5つの方法と便利なアイテム
ここからは、日焼けから漫画を守る具体的な方法について解説致します。
実践するときは、いくつかの対策と組み合わせてご活用ください。
本棚は窓際に置かない！
まずは、シンプルに本棚の位置を変えてみましょう。
基本的に日当たりの良い窓際や寒暖差が激しい場所（キッチン、バスルーム）は、漫画の保管場所に向きません。とくに窓際は日光が当たりやすく、結露による湿気の発生も著しい場所です。
日焼けはさることながら、カビや害虫の温床にもなりえます。
大切な漫画を保存するときは、図書館のような「低温」と「低湿」を意識してみてください。
遮光カーテンやUVカットカーテンを使う！
お部屋の都合で容易に本棚を動かせない方は、「遮光カーテン」や「UVカットカーテン」を活用しましょう。遮光カーテンは太陽の光をブロックするのに対し、UVカットカーテンは太陽の光に含まれる紫外線だけをブロックしてくれます。
どちらのカーテンも窓から差し込む紫外線をブロックしてくれるので、漫画だけでなく、お部屋の床や家具、お家で過ごす人の日焼け防止にも繋がります。
お部屋の過ごし方に合わせて、自分に合ったカーテンを選ぶようにしてください。
なお、外からの日差しを徹底的にブロックしたい方は「遮光カーテン」、反対に外からの日差しをお部屋に取り込みたい方は「UVカットカーテン」がおすすめです。
ポチップ
ポチップお部屋の証明をLEDライトの交換する！
お部屋の照明には、LEDライトがおすすめです。
太陽光ほどではありませんが、蛍光灯や白熱電球、水銀灯からも紫外線は発生しており、短時間ならまだしも、長時間光を浴び続ける環境は漫画にとって良くありません。
市販のLEDライトであれば、紫外線の量はゼロに近いので、光による劣化を防げます。おまけに蛍光灯と比べてもライトの寿命が長く、消費電力も低いので生活費の節約にも繋がるでしょう。
一度、お部屋の照明を見直してみてください。
ブックカバーを利用する！
大切な漫画には、ブックカバーを被せましょう。
日焼けだけでなく、あらゆる汚れや傷から漫画を守ってくれます。いつか売るにしても、綺麗な状態を保っておくことに越したことはありません。
書店で貰えるような紙タイプのブックカバーもあれば、可愛い刺繍が施された布タイプもブックカバーもあるので、自分の読書スタイルに合ったものを選ぶようにしてください。
表紙と背表紙を隠したくない方は、UVカット仕様の透明ブックカバーがおすすめです。
ポチップ
ポチップ光が当たらないような暗い場所に保管する！
いっそのこと光が差し込まない暗所に保管するのもひとつの方法です。
プラスチックの収納ケースを活用すれば、ベッド下や押入のちょっとした空間も立派な収納場所になります。お部屋を綺麗に魅せる「隠す収納」が好きな方は、ぜひ実践してみてください。
ただし、上記のような暗所は太陽からの日差しだけでなく、空気の出入りすらも遮ってしまいます。湿気が溜まりやすくなっているので、定期的に換気するようにしましょう。
ポチップ日焼けした漫画を復活させる方法
どれだけ気を付けて保管していたとしても、日焼けを完全に防ぐことは出来ません。日焼けした漫画を復活させたいときは、これから解説する修復方法を試してみてください。
なお、実践する際は自己責任でお願いします。
まずは道具を揃えましょう。
日焼けした漫画、目の粗い紙やすり（400番台）、目の細かい紙やすり（1000番台）、当て木（平らな板状のものであれば、何でも可）を準備してください。
削りカスが大量に発生するので新聞紙を広げたり、屋外で作業するようにしてください。なお、紙やすりは100円ショップのもので十分です。
目の粗い紙やすり（400番台）を当て木に巻き付けて、日焼けした部分を削ります。
基本的に当て木は硬くて板状のものであれば、何でも構いません。私は家にあった新品未使用の消しゴムで代用しました。紙やすりにかけるときは、表紙カバーを外し、漫画が開かないように固定しておくと削りやすくなります。
ある程度削ったら、目の細かい紙やすり（1000番台）で仕上げましょう。
あくまでも仕上げの処理なので、紙の向きに沿って優しく削ってください。やり過ぎたり、力み過ぎてしまうと逆に漫画を痛めてしまいます。
最後に削りカスを払い落としたら、修復完了です。
ページの間にも入り込んでいたりするので、パラパラと何度かめくるようにしてください。
大切な漫画を劣化させてしまう間違った保管方法
ここからは、漫画を劣化させてしまう保管方法について解説致します。大切な漫画を守るためにも改善できるポイントは改善していきましょう。
本棚いっぱいに収納している……
本棚いっぱいに収納するのは、漫画の保存環境としてあまり好ましくありません。
通気性が悪くなるので、湿気がこもりやすくなります。漫画を出し入れする際にも余計な力が加わってしまうため、表紙カバーや背表紙を破損させる可能性があります。
本棚に並べるときは、漫画同士の間にある程度の「ゆとり」を作りましょう。
「ゆとり」を作れるほどの余裕がない方は、漫画の断捨離に挑戦してみてください。
段ボールに入れて保管している……
漫画の収納ケースにダンボールを使うのは控えましょう。
と言うのも、湿度の高い暗所は紙魚を発生させやすく、上記のような環境下では段ボールや紙、ホコリなどを好んで食い漁ります。長らく放置すれば、紙魚は確実に数を増やします。
段ボールが悪いわけではありませんが、紙媒体の保管にはプラスチックケースがおすすめです。
ポチップ漫画を横に積み重ねて放置している……
漫画に限らず、紙の書籍は立てた状態での保管が最善です。
漫画を横にした状態で積み重ねてしまうと、ページ同士がくっついたり、歪みや変形を引き起こす原因になります。書店では普通に平積みされていますが、あれは漫画をより多くの人に買ってもらうための販売戦略に過ぎません。
それに本の山が高くなると下方の本は取りにくくなります。
本を大切に保管したいなら、積むのではなく、立てて収納しましょう。
なお、本棚にスペースがあり過ぎて、斜めになってしまうときは「ブックエンド」の使用がおすすめです。100円ショップで販売されているシンプルなものから、デザイン性の高いお洒落なものもあるので、自分の趣味嗜好に合った「ブックエンド」を見つけてみてください。
ポチップ
ポチップあとがき
日焼けから大切な漫画を守るためには、保管する環境を適切に整えることが大切です。図書館のようなキッチリとした環境は難しくても、自宅で簡単に出来る対策がたくさんあります。
この記事で紹介した方法やアイテムを活用してみてください。
また、どれだけ気を付けていようが、時間による劣化を完全に防ぐことは出来ません。どうしても日焼けが気になる方は、本へのダメージが最小限に済む紙やすりでの研磨がおすすめです。
