オリジナル漫画を描く人の多くが頭を抱える「タイトル問題」。
かくいう私も作ストーリーやキャラクターは完成しているのに「タイトル」だけが決まらなくて、一向に次のステップへ進めなかった経験があります。
この記事では、同じような悩みを抱えている方に向けて、作品の魅力を上げるタイトルの付け方について解説しています。オリジナル漫画のタイトルに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
タイトルの重要性について

そもそも「タイトルくらいでそんなに変わるの?」と思われる方もいるでしょう。
結論、漫画のタイトルは読者の手に取ってもらえるかどうかを左右するほど重要な項目です。
本屋で漫画を探しているときにタイトルが気になって、思わず手に取ってしまった経験はないでしょうか?
言ってしまえば「タイトル」とは漫画の顔であり、お店で言うところの看板と同じ役割があります。タイトルから「自分の好きな物語かもしれない!」と想像したり、「どういう内容なんだろ?」と気になって立ち止まるのは、作者の思惑に嵌まっているのも同然です。
漫画に限らず、Web小説やブログにおいてもタイトル次第でPV数が大きく変わります。絵やストーリも大事ですが、それと同じくらいの熱量でタイトルも真剣に考えてみてください。
人気作品から学ぶ上手いタイトルの付け方

タイトルの重要性が分かったところで、ここからは魅力的なタイトルの付け方について解説致します。実際に売れている漫画をもとに解説しているので、自分がどのパターンで付けるのが最適なのかを考えながら読んでみてください。
主人公の名前をタイトルに入れる








キャラクター性が重視される少年漫画によくある名付け方です。主人公が積極的に物語を引っ張っていったり、大きな成長を遂げる作品に付けると良いでしょう。
面白いことに「ドラえもん」をはじめとした国民的なキャラクターのほとんどは、タイトルに主人公の名前が入っていたりします。数々の人気キャラクターを生み出す任天堂も発売するゲームには、必ずと言っていいほど主人公となるキャラクターの名前があります。
キャラクターをブランド化するなら、この名付け方が一番の近道になるかもしれません。
また、主人公の名前に「物語に関連する単語」や「肩書」を加える名付け方もおすすめです。








「主人公の名前」だけを入れたタイトルよりも主人公の素性や特徴が明確になり、作品の内容が読者に伝わりやすくなります。「鋼の錬金術師」や「チェンソーマン」のように主人公の二つ名をタイトルにした漫画もあります。
兎にも角にもシンプルな名付け方なので、タイトルに迷ったときは是非とも活用してみてください。
舞台となる場所の名前を入れる








物語の舞台となる場所をタイトルに入れた作品は、往々にして聖地巡礼が盛んになります。
そこで起きる事件が物語のカギとなったり、その場所が物語の中心になる作品におすすめです。
「そこが一体どういう場所なのか?」「その場所で何が行われているのか?」タイトルと中身が上手くマッチすれば、多くの読者を呼び込むことが出来るでしょう。
ちなみに私が調べた限りでは、「東京」がぶっちぎりで多くの作品に使われていました。もしかしたら、日本の首都である東京は、漫画を描くうえで扱いやすい場所なのかもしれません。
作品によっては、現実に存在しない架空の場所をタイトルに入れる場合もあります。








繋がりのない2つの単語を組み合わせる








本来なら結びつくことのない単語を組み合わせたタイトルは、読者の興味を強く引き付けます。
実際に作品を読んでみれば、タイトルの意味も分かるのですが、字面から受け取る情報だけでは想像もつかないでしょう。きっと、多くの読者が疑問符を浮かべるはずです。
言葉の組み合わせ次第では、手に取ってくれる読者が格段に増えるかもしれません。
いくつかある名付け方の中でも印象に残りやすいので、注目度を上げたい作品におすすめです。
物語の中心となるアイテム名を入れる








物語の中心となる重要なアイテムの名前をタイトルに入れた作品は、主人公よりもアイテムの認知度が高くなる傾向にあります。
とくに「DEATH NOTE」は、先述した繋がりのない2つの単語を組み合わせているタイトルなのもあって、多くの読者に強烈なインパクトを残しました。連載が終了した今でも幅広いメディア化を続けていますし、国内外を問わずパロディネタとして使われています。
読者に印象付けたいアイテムや事象があるときにおすすめです。
タイトルに物語の伏線を入れる








タイトルに重要な伏線を入れた作品は、物語を読み進めていくなかで読者に妙な快感を与えます。
少しばかり難易度の高い名付け方ではありますが、上手く組み立てることが出来れば、人におすすめしたくなるほどの虜になってくれかもしれません。
タイトルに隠された意味を理解した瞬間に鳥肌が立つようなタイトルを考えてみましょう。
響きの良いキャッチーな名前を入れる








響きの良いキャッチーなタイトルは、とても馴染みやすく、それでいて浸透しやすい名付け方です。
「WITCH WATCH」のように韻を踏んだタイトルは、リズム感があって小気味よく感じると思います。その一方で「ボボボーボ・ボーボボ」や「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」みたいな長いタイトルの作品は、字面から受け取るインパクトが強烈過ぎて、中々忘れられません。
「けいおん!!」や「らき☆すた」のように親しみやすさが溢れる4拍のタイトルもおすすめです。
作り手のセンスが問われる名付け方なので、この路線で行くときは何度も口に出しながら考えてみてください。
台詞口調のタイトルにする








台詞口調のタイトルは、ライトノベルや青年漫画によく見られる名付け方です。
多くの読者が「それってどういうこと?」「誰が言ってるの?」「台詞の意味は何?」となりやすいので、中々に面白い手法だと言えるでしょう。
文字の羅列に句読点や感嘆疑問符を入れることを意識してみてください。
タイトルが作品のあらすじ








異世界モノや小説家になろう原作の漫画によくある名付け方です。
タイトルがすでに作品のあらすじを語っているので、読者側もなんとなく作品の内容が分かっていたりします。タイトルだけで読者を呼び込みたいときは、有用かもしれません。
タイトルが長くなりがちな点には、注意してください。
あとがき
漫画におけるキャラクターの魅力やストーリー性はとても重要ですが、それと同じくらいタイトルも重要です。
思い浮かばないからといって、なんとなくで決めてしまうと作品の魅力は落ちてしまいます。
どうしても思い浮かばないときは、それぞれのパターンでタイトル候補を書き出してみて、その中で自分が一番しっくりくるタイトルを選ぶと良いでしょう。
大切な自分の作品だからこそ、少しでも多くの人に興味を持ってもらえるようなタイトルを付けてあげてください。