2020年のX(旧Twitter)で話題になった『#私を構成する5つのマンガ』というハッシュタグをご存知でしょうか?
これは漫画コミュニティサイトの「アル」が始めたもので、自分を構成したと思う5つの漫画を選び出し、それをSNSでシェアするときに使います。
ブームはとっくの昔に過ぎ去ってしまいましたが、私もこの企画に参加してみたい、ひいては私が全力で推す漫画を知ってもらいたいと思い、この記事を執筆しました。
気になる作品がありましたら、ぜひ手に取ってみてください。
家庭教師ヒットマンREBORN!
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何をやってもダメダメなダメツナこと沢田綱吉(さわだつなよし)が、家庭教師兼最強の殺し屋であるリボーンと出会い、マフィアのボスを目指すバトル漫画。私をオタクの道に引きずり込んだ至高の作品です。
序盤こそ小気味好いギャグ展開が目立ちますが、あるエピソードを境に雰囲気がガラッと変わります。
キャラクターはもちろん、武器のデザインやバトルスタイルが真似したくなるほど格好良過ぎて、リアルタイムで読んでいた私は見事に中二病を拗らせました。とくに雲雀さんの「咬み殺す」は友人間でも流行した台詞です。
マフィアのボスになれる器がありながら、最後の最後まで優しさを失わなかった精神性とダメツナから戦闘モードに切り替わった時のギャップには惚れるほかありません。「いつも眉間に皺を寄せ、祈るように拳を振るう」と評されるツナの戦い方も大好きです。
また、自分で漫画を描くようになってからは、天野明先生の美麗なトーンワークに惹かれるようになりました。白黒なのにカラフルに見えてくるほど洗練されており、週刊連載とは思えない境地に至っています。
しかも、このハイクオリティを全てアナログ(手作業)で行っていたらしく、漫画を描く者として畏敬の念を抱かずにはいられません。連載終了から10年以上経った今でも「家庭教師ヒットマンREBORN!」は、私のバイブルです。
金色のガッシュ!!

千年に一度、人間界で行われるという”魔界の王を決める戦い”に巻き込まれた天才中学生の高峰清磨(たかみねきよまろ)と記憶を失った謎の少年ガッシュ・ベルの成長を描いたバトル漫画。
王道中の王道を征く少年漫画でありながら、大人の涙腺も容赦なく破壊しにくる作品です。
子供でも理解しやすいシンプルな設定と子供心を絶妙にくすぐる魔法の描写は、リアルタイムで見ていた子供たちを夢中にさせたことは言うまでもないでしょう。かく言う私も毎週放送されるアニメを楽しみにしていました。
子供の頃は仲間たちと一緒に戦う主人公の姿やカッコいい魔法に胸を躍らせていましたが、大人になった今では、子供たちの成長に心が揺さぶられます。とくにキャンチョメの成長と最後の瞬間は、今でも涙なしでは読めません。
今にして思えば、感受性が豊かな時期に「金色のガッシュ!!」と出会えて本当に良かったと思います。

寄生獣

ある日、宇宙から飛来してきた寄生生物に右手を乗っ取られてしまった泉新一(いずみしんいち)と彼の右手に宿った「ミギー」との共存関係を描いたSF漫画。私の死生観に大きな影響を与えた作品です。
後にも先にも「寄生獣」ほど衝撃を受けた作品はないでしょう。
寄生生物に脳を乗っ取られてしまった人間が、頭部の形を禍々しく変形させ、捕食対象である人間を喰らったときにはかつてないほど戦慄しました。寄生生物たちが人類に仇なす存在なのは間違いありません。
しかし、タイトルに隠された本当の意味を知ったとき、地球にとって最も害悪だった生物の正体に度肝を抜かれます。
どのような状況下であっても生物としての正道を歩む寄生生物に対し、身勝手なエゴを貫き通そうとする人類。両者の間に生まれるズレが物語に深みと奥行をもたらしています。
「命」や「共存」、「生物としての在り方」と言った哲学的なテーマを絡ませながら、しっかりと納得のいく答えを出して物語を締めくくる手腕は必見です。
銀牙-流れ星 銀-

熊犬として育てられた銀(ぎん)が、大勢の仲間たちと共に凶暴な人喰い巨熊の「赤カブト」を打ち倒す冒険漫画。日本における犬漫画の原点とも言われており、作中に登場するキャラクターのほぼ全てが犬です。
ただ、犬を描かせたら、高橋よしひろ先生の右に出る者はいないでしょう。
素早く動き回る犬の躍動感、犬種によって異なる体格、犬が見せる多彩な表情、どれをとっても群を抜いています。
作中では80年代の少年漫画らしい熱血漢なキャラクターが多く、生き様はさることながら、命を散らすその瞬間まで「カッコいい」と「美しい」に溢れています。その中でも元闘犬だった紅桜が最後に見せた死に様は、子供ながらに深く感動しました。
動物が好きな方ほど心に沁みる作品です。
NARUTO-ナルト-

孤独を抱え、いつも悪戯ばかりしていた問題児のうずまきナルトが大切な仲間たちと出会い、数々の試練を乗り越え、立派な忍者へと成長していくバトル漫画。
ジャンプ作品ではお馴染みの「友情」「努力」「勝利」に加え、「家族愛」や「兄弟愛」、「師弟愛」と言った様々な「愛情」について教えてくれる作品です。バラエティに富んだ忍術はさることながら、岸本斉史先生の卓越した画力で描かれる和風な世界観には、読む人を夢中にさせる魅力が詰まっています。
とくに見開きで描かれている「決め絵」のセンスは抜群です。
先にも紹介した「家庭教師ヒットマンREBORN!」とはまた違った方向性で洗練されており、週刊連載とは思えないハイクオリティに圧倒されるでしょう。
言語化が難しい感情の機微を行動や表情で見せる演出が秀逸なのもあって、作中の至るところで胸がいっぱいになります。ひとりぼっちだったナルトが成長し、父親になった姿を見たときには、言いようのない感情が込み上げてきました。
今まで読んできた漫画の中でも読後感が最高に気持ちい作品です。

あとがき
以上が「#私を構成する5つのマンガ」になります。
どの作品も私の人生観や価値観に大きな影響を与えてくれた大好きな漫画です。もはや心のバイブルと言っても過言ではありません。
未読の方は是非とも読んでみてください。