【感想&レビュー】世界観の作り込みが半端ないグルメファンタジー|ダンジョン飯

2024年7月2日

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【感想&レビュー】世界観の作り込みが半端ないグルメファンタジー|ダンジョン飯

この記事では、九井諒子先生による料理漫画「ダンジョン飯」を紹介しています。

「読む」ことも「描く」ことも大好きな漫画オタクが実際に読んでみて面白いと思ったポイントや感想について語っており、ネタバレを目的としたものではありません。

「ダンジョン飯」がどんな作品で、どこに見所があって、どう面白いのか?

読んでみたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

すでに読んだことのある方は「そんな見方もあるのか」と楽しんでいただければ幸いです。

「ダンジョン飯」の作品情報

ダンジョン飯
九井諒子『ダンジョン飯』(KADOKAWA)

「ダンジョン飯」のおすすめポイント3選

読み進めるごとに広がる世界観!

序盤こそ『魔物を料理して食べる』というコメディ要素が目立ちますが、読み進めていくほど世界観の作り込に驚かされます。

魔物の身体構造や生態系、冒険者の暮らしからダンジョンの始まりに至るまで、綿密に作り込まれており、ファンタジー作品でありながら、どこを読んでも設定に穴がありません。

まるで本当に見えてきたかのような解像度の高さです!

RPGではお馴染みのスラムをどのように調理したら美味しくなるのか、どのような栄養素があるのか、どう生態系に影響を及ぼしているのかなど、他の漫画にはない発想力と着眼点で描かれた新しいスタイルの漫画と言えるでしょう。

このワクワク感は「ダンジョン飯」でしか味わえません!

RPGを彷彿とさせるダンジョン探索!

作品の随所にRPGへのオマージュが感じられました。

キャラクターの職業をはじめ、パーティーの組み合わせやダンジョンの構造など、RPGでよく使われる基本的な要素を上手く漫画に落とし込んでいます。

そこに作者独自の解釈を加えることによって、RPG以上にリアルな世界観が築かれているのでしょう。

冒険者を集めてパーティーを組み、魔物と戦いながらダンジョンの最奥を目指す、そんなダンジョンRPGが好きな方には、ぶっ刺さるかもしれません。

リアリティのあるキャラクター!

世界観だけでなく、キャラクターにも妙なリアリティを感じました。

それぞれの良いところと悪いところをきっちりと描きながら、「ダンジョン飯」の世界に生きる者として行動しています。

当たり前のことではありますが、漫画のキャラクターにも歩んできた人生や叶えたい夢、信じているものがあるわけで、決して物語を動かすためだけに存在しているわけではありません。

ときには主人公以外のキャラクターが思わぬ角度から物語を動かすこともあって、途中からページを捲る手が止まらなくなります。

どのキャラクターも魅力に溢れすぎているため、作中だけで語られる冒険だけでは、きっと物足りなく思うことでしょう。

「ダンジョン飯」を読んだ感想

月猫みなみ
月猫みなみ

ファンサービスが贅沢すぎる!

「ダンジョン飯」に登場する魔物食や魔物の生態が割と好きなのですが、それらを深堀りするおまけページが全巻に収録されていたことに驚きです。

それも設定資料みたいな感じで紹介するのではなく、きちんとオチのある漫画として描き下ろされているので、めちゃくちゃ面白い!

作品の完成度があまりにも高過ぎたためか、読後には満腹感にも似た幸せな気持ちで一杯になりました。

しかしながら、ご飯を食べた後はデザートも欲しくなるもの……。

みっともないことに「ダンジョン飯」にハマってしまった私は、「もっと読みたい!」という欲望が尽きなかったのです。

そんな厄介な欲望を抱えたファンの空腹感を満たすべく、最終巻が発売された1か月後に超豪華なファンブックが発売され、さらにそのもう1か月後には、完全版のキャラクターブックも発売されました。

どちらの書籍にも相当な量の情報が詰め込まれているので、この2冊を読めば「ダンジョン飯」がもっと面白くなるでしょう!

これ以上ないくらいの満足感をぜひ味わってみてください!

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TVアニメ「ダンジョン飯」の続きが気になる方は第9巻から!

TVアニメ「ダンジョン飯」を観て、続きが気になった方は第9巻から読むと良いでしょう。

ミスルン率いるカナリア隊や人間に興味津々なカブルーが物語を大きく動かし、ファリン救出に陰りが出始めます。

物語の核心へと迫っていくストーリーがめちゃくちゃ面白いので、ぜひ読んでみてください。

こちらの作品もいかがですか?

杖と剣のウィストリア

杖と剣のウィストリア
大森藤ノ,青井聖『杖と剣のウィストリア』(講談社)

魔法絶対至上主義の世界で魔法が使えない劣等生のウィル・セルフォルトが、魔法世界の頂点を目指すファンタジー漫画。

原作は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(通称「ダンまち」)」で知られる大森藤ノ先生が手掛けており、深く潜るほどより過酷になっていくダンジョン探索が魅力の作品です。

本格RPGのようなゲームの世界感が好きな方は、ぜひ読んでみてください。

あとがき

実はこの記事を書くにあたって、「ダンジョン飯」を料理漫画として紹介すべきか、それともファンタジー漫画として紹介すべきか迷っていました。

料理要素は多分にあるものの、実際に現実世界で作れるわけではないし、中盤以降はファンタジー要素が強くなるのも事実……。

しかし、主人公であるライオスが最後に語った「食は生の特権だ」という言葉とそれを裏付ける見事な物語を描き切っていたことから、ねこみなブログでは料理漫画として紹介することにしました。

喰うか、喰われるか、そんなハラハラドキドキのダンジョンファンタジーを楽しみたい方におすすめです。

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